外出制限による睡眠障害
今回は新型コロナウイルスのせいで自宅から出られない事で起きる不具合についてお話します。
人間は、日が昇ると起きて仕事をし、日が沈むと休息、睡眠をとる動物です。
この、当たり前に営んできた生活にはちゃんと生理学的根拠があります。
体内時計の仕組みについて
起床直後に太陽光が目から入ると、体内時計に時刻の情報として伝達され、朝の時報に体内時計を合わせます
この時、縫線核から「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
「セロトニン」は別名、「幸せホルモン」と呼ばれます。
脳を覚醒させ、リセットされた時刻から、12~13時間は代謝が高められ、血圧、脈拍が高めに保持され、覚醒して活動するのに適した状態となります
これが、朝の光を浴びてから14~16時間くらい経過して、
暗くなり、目から入る光刺激がなくなると、松果体から「メラトニン」の分泌が始まり、手足の末端からの放熱が盛んになります
こうした放熱により、身体の内部や脳の温度が低下してくると、1~2時間のうちに自然な眠気が出現します
ですので、朝の起床時に十分な太陽の光を浴びずに、昼過ぎまで暗い部屋に引きこもっていると、体内時計のリセットが行われず、その日の入眠時間が遅くなってしまいます
逆に、夕方から夜の時間に強い光を浴びると、昼の時間が延長されることとなり、休息への準備が遅れ、結果的に入眠時間が遅れてしまいます
また、暗い部屋の中にずっと引きこもっていると、光による体内時計のリセットが行われず、毎日一時間ずつサイクルがずれていきます
この様な生活を2週間も続けていると、体温リズムと眠気のリズムが乖離してしまい、完全に1日のサイクルがおかしくなってしまいます
この様な状態になると、精神的にも崩壊していってしまうという研究結果もあります
引きこもりが「うつ」になる原因の一つですね
なので、緊急事態宣言が発令され、家から一歩も外へ出ない!という生活を強いられると「うつ」っぽくなってしまいます。
メラトニンは、朝に作られたセロトニンの量と比例して分泌量が左右されます
朝に作られたセロトニンは、光刺激がある間はセロトニンとして固定され、働きます
夜になって、光刺激が低下するとセロトニンをメラトニンへと変化させます
メラトニンの濃度が高まると、眠りへの準備がされます
朝にしっかりとセロトニンが作られないと、メラトニンの量も不足してしまいます
また、夜になってもテレビやゲーム、スマートフォン、蛍光灯、LEDなどの光刺激によってメラトニン生成を邪魔してしまい、メラトニンが十分な量に達しないと、寝つきが悪くなり、睡眠の質を落としてしまいます
寝つきが悪くなると、寝入りばなに分泌される「成長ホルモン」の分泌量が減ってしまいます。
この「成長ホルモン」は文字通り、子供は身体を成長させるために必要なホルモンです。
大人は、疲労回復、肌のターンオーバーを促す、新陳代謝を活発にすることで肥満の防止、病気の予防、精神安定など、幅広く役に立っているホルモンです。
寝つきの良い質の高い睡眠が、「免疫力を向上」させている大きな役割を担っているのです。
【まとめ】
外出を控えないといけないとはいえ、ベランダでも庭でも良いので、必ず起床後2時間以内に外に出て、日光を浴びることがとても大切です。
曇りの日も雨の日も、外は晴れてる日の室内より明るいのです。
お子さんには、特に効果が大きいので是非実践してみてください!