実技セミナー
平成30年10月28日(日)
毎年開催しております、私が所属するMT-MPS研究会の実技セミナーが開催されました。
巷には、星の数ほど様々な「治療法」があります。
一般の患者様はもちろんのこと、施術家を目指す若い先生方も、今ある色々な「治療法」についてどの様なものがあるのかを端から端まで知っている方は少ないと思います。
と、言うか、、、、私も自身が研究している治療法以外の事は、そんなに詳しく知りません!!(笑)
次々と、新しい治療法が飛び交っていますしね・・・
どれが良いとか悪いとか、そんな事を議論する前段階で良し悪しを判断しようとする話自体が無意味に近いなぁと思う今日この頃。
今回は、そんなお話を・・・。
一言に、「治療法」と言っても、「やり方」と「考え方」があります。
本来ならば、「考え方」があって、その理屈に合うように「やり方」が生まれるのが当たり前です。
ただ、この当たり前が出来ていないなぁと感じることがしばしばです・・・。
例えば、よく聞かれるのが「このツボ、どこに効くん?」「胃が痛い時には、どこのツボ押したらええの?」です。
一言に「胃が痛い」と言っても、
本当に胃が痛いのか?
胃に病変があるのか?
なぜ胃が痛いのか?
「治療」を行う前に必ず考えなければならないこと、当たり前に考えなければならないことです。
簡単に例をあげてみましょう。
�@胃に胃潰瘍などの疾患がある場合
背中の筋肉が異常に緊張していることがあります。
これは、内蔵−体性反射によるものと考えています。
施術で背中の筋肉の緊張を緩和させてあげると、一時的に胃の痛みを軽減させることが出来たりします。
しかし、残念ながら「胃潰瘍」そのものを治療しなければ、またすぐに背中の筋肉が緊張してきて「胃が痛い」と訴えるようになります。
消化器内科などの受診をすすめなければならない場合もあります。
(当院の場合、そもそもなぜ胃潰瘍になったのか?も考えますが…論点がずれてしまうので詳しくはまた別の機会に…笑)
�A胃そのものには病変などがない場合
「病院に行ったけど、どこも悪くないって言われた。でも胃が痛いねん」ってな患者さま
こういう患者さまも、背中の筋肉が緊張していることがしばしばです。
これは�@とは逆で、体性−内蔵反射によって「胃が痛い」と感じているのではないか?と考えます。
同様に、背中の筋肉の緊張を緩和させると、胃の痛みは無くなるということは珍しくありません。
ただ、なぜ背中が緊張した理由を考え、改善させてあげなければ、また胃が痛いという症状は繰り返すことになるでしょう。
他にも、「胃が痛い」と訴える原因はたくさんありますが、「治療」としては
「背中の筋肉の緊張を緩和させる」ということは同じに見えますよね(笑)
でも、原因や、施術後の生活指導や今後の治療方針などを含めると、�@と�Aは全くの別物なのです。
テレビなどのメディアもそうですが、多くの方は、ひとつの症状に対しての理屈やアプローチの過程をすっ飛ばしてしまいがちです。
「胃が痛い」=「背中を押せばいい」と・・・
患者さまに関しては、仕方がないことかも知れませんが、多くの施術者もこの傾向が強いように感じています。
背骨が歪んでいる = 痛い
骨盤が歪んでいる = 太る
猫背 = 肩がこる
足裏が痛い = 内蔵が悪い
腰が悪い = 足がしびれる
頸が悪い = 手がしびれる
などなどなどなど・・・・
もちろん、先人の経験や多くのエビデンスによって、端的にイコールで結んでも結果として症状の改善はみられるかも知れません。
でも、それって・・・森を見て木を見ていないんじゃないの?
なんて思ってしまいます・・・
良い施術者かどうか、良い治療法かどうかは、症状に対する治療のプロセスをしっかりと説明できることにあると思います。
「やり方」に注目するよりも、納得、共感する「考え方」に注目してもらえれば「アタリ」に出会える確率はグッと上がるんじゃないかなぁと思う今日この頃でした・・・(笑)
※ ご注意!!
上記の=で結んでいるものが、間違っていると言っているわけではありません。
A = B としか説明できないのはマズイんじゃないかな?って意味ですので・・・悪しからず!